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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第13章 ヒーロー仮免試験


上鳴は声を抑えながら抗議する。


「轟だけ毎回隣で寝かせてんじゃん!」


「寝かせてるわけじゃない」


轟が訂正する。

「眠ってるだけだ」

「そういうところだよ!」

「何がだ?」

「お前マジで分かってねぇの!?」

轟は本気で分かっていない顔をしている。

「危ないから支えてるだけだ」

「それが羨ましいんだって!」

「……?」

轟は少し考える。

「なら、次はお前が支えればいいんじゃないか?」

「え?」

上鳴の目が輝く。

「マジ!?」

「ただ」

轟が続ける。

「席は名簿順だから、替わる必要はないだろう」

「だから席順の話じゃねぇんだって!!」

耳郎が吹き出した。

「ははっ……もうダメ。轟、天然すぎ」

その声で、彼女がわずかに身じろぎした。

「……ん……」

三人が一斉に黙る。

轟が彼女の頭が落ちないよう、そっと支える。

「……」

上鳴はその様子を見て、悔しそうに唇を尖らせた。

「……やっぱずるい」

「まだ言ってんの?」

耳郎が呆れる。

「だってよぉ……」

そのとき、前の席から爆豪の声が飛んできた。

「うるせぇぞ、アホ面」

「すみません!」

上鳴は即座に背筋を伸ばした。
轟は何事もなかったように窓の外を見ている。

彼女はまだ眠っている。

そして耳郎だけが、小さく笑っていた。

「……この席、もう定番になってるよね」

「何がだ?」

轟が聞く。

「それを本人が分かってないのが一番面白いんだよ」

耳郎はそう言って、前を向いた。

「……?」

轟は最後まで意味が分からなかった。

轟の左側。
そこは、彼女にとって妙に眠りやすい場所だった。

轟は左半分で炎を使う。
そのため、左側にいると、ほんのりとした温かさが伝わってくる。

彼女はいつも、無意識のうちにそちらへ寄ってくる。

「……ん」

今日もそうだった。
バスの揺れに合わせて、彼女の身体が少しずつ左へ傾いてくる。

轟は、それを支える。
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