• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第13章 ヒーロー仮免試験


バスに揺られているうちに、瞼が重くなる感覚に陥る。

「……ふぁ」

欠伸。

轟が横目で見る。


「眠いのか」


「ちょっとだけ」


「昨日も遅かったのか?」


「日付が変わるまでには寝たわ」


彼女は胸を張った。

「今日こそ大丈夫だから!」

その言葉を聞いた耳郎が、前の席から振り返る。

「……その台詞、前にも聞いた気がする」

「今日は本当に大丈夫」

「本当にか?」

「ええ」

彼女は自信満々に頷いた。
数分後。

「…………」

轟は窓の外を見ていた。


隣では、彼女の頭が。

「……」

かく。

「…………」

かくん。

「……」

かくん。

轟が横を見る。


彼女は必死に起きていようとしていた。


目はほとんど閉じている。
頭が前に落ちそうになるたび、ぎりぎりのところで持ち直す。

「…………」

かく。
戻る。

かく。
戻る。

轟はしばらく黙って見ていた。

「……危ねえな」

次の瞬間。
ぐいっ。

彼女の身体が倒れないよう、轟が自分のほうへ軽く引き寄せた。

彼女は――

「……ん」

何の疑問も持たず、そのまま轟の肩に寄りかかった。
完全に寝ている。


轟は少しだけ目を見開いた。
だが、起こす理由もない。

そのまま身体が揺れないよう支えてやる。

「…………」

轟の腕が、彼女の身体を安定させるように腰のあたりへ回る。

本人は完全に無自覚だった。
その光景を見ていた者たち。


「…………」


耳郎が固まった。


「…………」


上鳴も固まった。

「…………」

切島も固まった。


そして。
「…………」
爆豪。

数秒の沈黙。

耳郎が小声で呟く。

「……また始まった」

上鳴が頷く。

「美男美女席」
「……ああ」

納得するな。
そんな視線が飛ぶ。

しかし、二人はまるで気づいていない。
轟は窓の外を見ている。

彼女は眠っている。

「……おい」

爆豪が低い声を出す。

轟が振り返る。

「何だ」

「テメェら、朝っぱらから何してやがる」

「寝そうだったから支えただけだ」

「……」

爆豪は眉間を押さえた。

「そういう問題じゃねぇ」

「?」

轟は本気で分かっていない。
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp