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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第12章 編め、必殺技!


「……お前、今誰と話してた?」

「誰とも。芦戸さんにも説明したけれど、テレビよ」

「テレビ?」

爆豪は眉をひそめた。

「男の声がしたっつってんだろ」

「聞き間違いじゃないかしら」

「……チッ」

納得していない。


そのことは、彼の表情を見れば明らかだった。
爆豪は腕を組み、彼女を見下ろした。


そして、ふと気づく。
彼女の首筋が、赤くなっている。


乾ききっていない髪の隙間から覗く肌に、妙に目立つ赤みがあった。

「……おい」

「何?」

「首、どうした」

彼女の心臓が跳ねた。

「……え?」

「赤くなってんぞ」

彼女は反射的に首元を手で覆った。

「シャワーを浴びたばかりだからよ。少し、肌が赤くなっただけ」

「……ふぅん」

爆豪の視線が細くなる。


そのときだった。
彼女の足元に、何かがひらりと舞い落ちた。
赤い羽根。

一枚の、小さな羽根だった。
廊下の明かりを受けて、鮮やかな赤色が浮かび上がる。

二人の視線が、同時に床へ落ちた。

「…………」

爆豪は、ゆっくりと羽根を見つめた。
それから、彼女の顔へと視線を戻す。

「……なんだこれ」

声が、ひどく低かった。


おもちは笑顔を崩さなかった。
崩さなかったが、頭の中では盛大に舌打ちしていた。


――あの男、本当に何をしてくれるの。


爆豪は羽根を拾い上げ、指先でつまんだ。

赤い翼を持つプロヒーロー。
その存在が頭をよぎる。
まさか、いや、そんなはずはない。
だが、男の声。赤くなった首筋。そして、この羽根。
偶然で片づけるには、あまりにも揃いすぎていた。

「……誰が来てた」

今度の問いには、先ほどまでの苛立ちとは違う響きがあった。


彼女は、爆豪の目を見つめた。
公安として、幾度となく尋問や駆け引きを経験してきた彼女にとって、嘘をつくこと自体は難しくない。

けれど、相手は爆豪勝己だった。
妙なところで鋭く、いったん疑問を抱けば、納得するまで追及してくる。

「……誰も来ていないわ」

彼女は静かに答えた。
爆豪は、しばらく黙っていた。
やがて、手の中の羽根へと目を落とす。

「……そうかよ」

そう言った声色は、明らかに納得していなかった。
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