• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第12章 編め、必殺技!


彼女にとって、武器を携行することは特別な行為ではない。


それは、個性を使えなくなったときにも生き残るための備えであり、任務を遂行するために身につけた習慣でもあった。

「分かった。こちらで預かろう。点検も含めて、きちんと見ておく」

「ありがとうございます」

「3日後、取りにおいで」

「はい。よろしくお願いします」

彼女は二丁の拳銃を預けると、丁寧に頭を下げた。

「それでは、失礼します」


軽やかな足取りでラボを出ていく。
扉が閉まる直前、彼女の横顔に廊下の明かりが差し込んだ。
そして、彼女の姿が見えなくなった頃。


「……おい」


ラボから少し離れた廊下の角で、爆豪が低い声を漏らした。
隣には轟が立っている。


二人は、たまたま訓練後に用事があって校舎に残っていた。帰ろうとしたところ、見覚えのある後ろ姿がラボから出てくるのを目撃したのだ。

「今の、あいつだよな」

轟が確認するように言った。

「ああ」

爆豪は、彼女が去っていった方向を見つめていた。


先ほど、ラボの扉が開いた一瞬。

見間違いでなければ、彼女はスカートの内側から何かを取り出していた。

そして、パワーローダーに手渡したもの。


あの形状を見誤るほど、爆豪の目は節穴ではない。

「……拳銃、か?」

轟の声にも、わずかな緊張が混じっていた。
爆豪は眉間に皺を寄せる。


USJ襲撃事件。


あのとき、彼女が何をしていたのか。
自分たちが知らないところで、どんな判断を下し、どんな行動を取っていたのか。

断片的な疑問が、ひとつにつながり始める。

今日の訓練でもそうだった。
あれほどの岩壁が直撃したのに、彼女は傷ひとつ負わなかった。

個性の新しい使い方を、まるで当然のように披露した。
それなのに、わざわざ銃を手入れに出す必要があるのか。

「……どういうことだ」

爆豪が吐き捨てるようにつぶやいた。
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp