• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第12章 編め、必殺技!


岩が落ちた地面には、深い亀裂が走っている。

それなのに、彼女の立っていた場所だけは、まるで何事もなかったかのようだった。

「ねえ、今のって……新しい必殺技?」

麗日が恐る恐る尋ねた。
彼女は少し考えるように目を伏せたあと、微笑んだ。

「そうね。名前をつけるなら――『不可侵領域』の新しい段階、といったところかしら」

「新しい段階……?」

轟が静かに繰り返す。



「今までは、自分の周囲を守っていた。でも、今は違うの」



彼女は自分の手のひらを見つめた。

「守るための領域を展開する必要がなくなった。私自身が、
不可侵になったから」

再び、沈黙が落ちた。

その言葉の意味を、誰もが理解しようとしていた。
攻撃を防ぐのではなく、攻撃そのものを自分に届かせない。


それは、単なる防御能力の強化ではない。
彼女の個性の根幹に関わる、根本的な変化だった。


「……おまえ」


爆豪が低く口を開く。
彼女は、そちらを向いた。


「いつから、そんなことができるようになった」


鋭い眼差しだった。
驚きだけではない。
怒りだけでもない。

目の前にいる彼女が、自分たちの知っている彼女とは、どこか違う存在に見えたのだ。

彼女は一瞬だけ、爆豪の目を見つめた。
そして、いつもの穏やかな笑みを浮かべる。


「さあ。今日、気づいたのかもしれないわね」


――嘘だった。
本当は、訓練が始まった瞬間から考えていた。


個性の解放。
領域の再構築。
そして、内通者がいると仮定した場合の情報戦。
この場で自分の力を隠せば、相手は警戒する。だが、圧倒的な力を見せつければ、相手はそれを新たな基準として認識する。


見せた能力を、すべてだと思わせる。

それが、彼女の狙いだった。

ただし、ひとつだけ誤算があった。

爆豪の叫び声。
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp