第11章 入れ寮 ハイツアライアンス
夜
お部屋披露大会も終わり、生徒たちはそれぞれの部屋へ戻り始めていた。
彼女も自室へ戻り、ベランダの縁に立って紫煙を燻らす。
ふと、外を見る。
「……ん?」
寮の裏手。
そこに、何人かの人影が見えた。
緑谷、飯田、切島、八百万。
そして麗日。
「こんな時間に……?」
彼女は壁にもたれ、そっと耳を澄ませた。
彼らの少し離れた場所に立っていたのは、体調不良で部屋にいるはずだった梅雨だった。
「梅雨ちゃん……?」
どうやら麗日は、梅雨に頼まれて四人を連れ出してきたらしい。
梅雨は五人を前に、静かに口を開いた。
「病院で、私が言ったこと……覚えてる?」
五人の表情が固まる。
「ルールを破ると言うのなら、その行為はヴィランのそれと同じなのよ」
あの時。
梅雨は心を鬼にして、彼らを止めようとした。
それなのに――。
結局、彼らは行ってしまった。
「……私、みんなが行ったって知って……」
梅雨の声が震えた。
「すごく、ショックだったの」
誰も口を挟まない。
「私が止められなかったから……」
拳を握りしめる。
「私がもっとちゃんと言えていたらって……ずっと考えてた」
涙が頬を伝う。
「でも……何もなかったみたいに、いつも通りにするなんて……できなかった」
声が震える。
「だって……悲しかったんだもの」
彼女は窓辺で、黙ってその光景を見つめていた。