第11章 入れ寮 ハイツアライアンス
寝ている爆豪と、体調不良で休んでいる梅雨の部屋を除き、一通り全員の部屋を見終えた。
「じゃあ、投票しよう!」
三奈の掛け声で、それぞれが一番よかったと思う部屋に投票していく。
集計の結果――。
「一位は、砂藤力道!」
「えっ、俺!?」
砂藤が驚いた顔をする。
なんと、女子全員が砂藤に票を入れていた。
「だって、シフォンケーキ美味しかったもん!」
「うんうん!」
「焼きたて最高だった!」
どうやら、部屋そのものではなく、披露中に振る舞われたシフォンケーキが決め手だったらしい。
「おい!」
峰田が立ち上がる。
「それ、部屋の評価じゃねぇだろ!」
「そうだそうだ!」
上鳴も納得いかなそうに声を上げる。
「俺たちは部屋を見せるために片付けたんだぞ!?」
「結果的にケーキが一番って……」
男子たちからも苦笑が漏れる。
砂藤は困ったように頭を掻いた。
「いや……でも、喜んでもらえたなら嬉しいよ」
「そういう問題じゃねぇ!」
峰田が叫ぶ。
女子たちはそんな二人を見て笑っている。
彼女も少し離れたところで、その様子を眺めていた。
「まあ、いいんじゃない?」
「お前まで!」
上鳴が振り返る。
「だって、美味しかったし」
「お前もそっち側かよ!」
「私はちゃんと部屋も見たよ」
「じゃあ誰に入れたんだ?」
「砂藤」
「結局ケーキじゃねぇか!」
また笑いが起こる。
ひとしきり騒いだところで、ようやくお開きとなった。
「じゃあ、そろそろ戻るか」
轟がそう言って、自分の部屋へ向かおうとする。
その時――。
「待って、轟くん!」
後ろから声が飛んできた。
轟が足を止める。
「……何だ?」
振り返ると、麗日が真剣な面持ちで自分を引き留めていた。
「あのね――」