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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第3章 USJ襲撃事件編


相澤の両腕が、完全に力を失っている。
それでも、まだ立とうとしていた。
「相澤先生……」
いつもの彼女なら、まず考える。
敵の数
距離
味方の配置
相手の個性
勝率
そして最も被害の少ない選択肢を選ぶ。
けれど、今は違った。
胸の奥に、これまで感じたことのない感情が湧いている。
――仲間が、傷つけられた。

「……」

彼女は静かに息を吐いた。
そして、スカートの裾へ手を伸ばす。
誰にも見えない、ガーターベルトの内側に固定されていたものを、指先で抜き取る。

小型の拳銃。
公安から支給された、彼女だけの武器。

「……こんな所で使うことになるとは、ね!!」
銃を構える。

周囲のヴィランは気づいていない。

脳無も、彼女を見ていない。

当然だった。彼女は今まで、一度も前線で個性を使っていない。
クラスメイトたちが知っているのは、

「周囲をよく見ている」

「状況判断が異常に早い」

「人を動かすのが上手い」
それだけ。

けれど、それは、彼女の個性の一部にすぎない。



彼女の本当の個性。
――戦略眼

それは単なる観察能力ではない。
彼女自身の個性を物体へ纏わせる。
そして、その物体を相手にぶつける。

触れたもの。

形あるもの。

それを、彼女の意思によって支配する。

さらに、支配した物体が別の物体へ干渉すれば――



その支配は、伝播する。

「……だから私は、前線に立たなかった」
小さく呟く。

理由は単純だった。

強すぎるからだ。
人間を直接支配することもできる。
けれど、それ以上に危険なのは――
一度支配したものが、別のものへ触れること。

連鎖する。

止まらなくなる。

だから彼女は、これまで戦闘の中心には立たなかった。

味方を巻き込む危険がある。
そして何より、自分の個性を知られれば、対策される。
だから隠してきた。
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