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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第3章 USJ襲撃事件編


さらに、脳無が両腕を掴んだ。
「やめろ!」

誰かが叫ぶ。
嫌な音がした。

相澤の両腕が――折れた。
「……!」

周りが凍りつく。
彼女の目が見開かれる。
その瞬間、彼女の中で何かが切り替わった。


これまで、彼女は戦況を見ていた。
クラスメイトを観察していた。

必要なら助言をした。

負傷者を手当てした。

けれどそれは、どこか一歩引いた立場だった。

「……」
彼女は拳を握る。

相澤がこちらを見た。
「……来るな」

声が苦しそうだった。
彼女はその言葉を聞きながら、周囲を見る。

怯えている生徒たち。

動けない生徒。

13号も生徒を守ることで精一杯。


そして、倒れた相澤。
その先にいる脳無。

「……」

彼女の頭の中では、すでに複数の選択肢が組み上がっていた。

逃げる
隠れる
13号の指示を待つ


それとも、戦う?



これまでの彼女なら、最後の選択肢は取らなかっただろう。

自分は公安の人間。

正体を隠す必要がある。

能力も、極力見せない。

目立つな。

任務を優先しろ。



そう教えられてきた。

「……違う」
彼女は一歩、前へ出た。

隣にいた芦戸が振り返る。
「え……?」

「先生を助ける」

「そんなの無茶だよ……!」

「分かってる」
彼女は静かに答えた。
怖くないわけではない。
勝てると思っているわけでもない。

ただ、彼女は前を向く。

今までの彼女なら
「観察対象が負傷した」

そう判断していた。
けれど今は違う。


「仲間が傷ついた」
そう思った。

彼女は自分の意思で、初めて前線へ踏み出した。





その瞬間、彼女の中にあった「公安の観察者」と「雄英の生徒」の境界が、初めて揺らいだ。
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