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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第10章 神野区の悪夢編


「……とりあえず、あなたは私の中に戻って」


『…………』


龍は、あからさまに不満そうな顔をした。
黄金の瞳が細められ、長い尾がゆっくりと揺れる。


『久方ぶりに外へ出たのだぞ』


「だから?」


『この世界も、随分と様変わりしている。少しばかり見て回ってもよかろう』


「駄目」


即答だった。

『……何?』

「駄目と言ったの。戻りなさい」

龍は彼女を見つめたまま、動こうとしない。

まるで、長い間閉じ込められていた子どもが、ようやく外へ出られたのに帰りたくないと駄々をこねているようだった。
そのあまりにも意外な反応に、彼女は一瞬、言葉を失った。


――この状況で、まさか駄々をこねられるとは思わなかった。


「……あなたねぇ」


『我は、お前の力の権化だ。お前の命令に従う義務はあれど、多少の自由まで奪われる覚えはない』

「へえ?」

彼女の目が、すっと細くなる。

「私の力なんでしょう?」

『……いかにも』

「だったら、私が命令したら従いなさい」

『…………』

龍が黙った。
彼女は、にっこりと笑った。

「言うことを聞かないなら、燃やすわよ」

『…………は?』

「あなた自身が私の力なら、あなたを燃やすことだってできるわ。試してみる?」

一瞬、戦場に沈黙が落ちた。
龍は、信じられないものを見るように彼女を見下ろしていた。


やがて。


『……小娘』


「何?」


『本当に、我を燃やせると思っているのか?』


「さあ?やってみないと分からないわね」
にこり。

彼女は、先ほどよりも爽やかな笑顔を浮かべた。
龍は長い沈黙の末、深々と息を吐いた。

『……まったく。誰に似たのだ、その気の強さは』

「あなたに似たんじゃない?」

『…………』

今度こそ、龍は完全に黙り込んだ。
その場にいた誰もが、目の前のやり取りを理解できずにいた。

つい先ほどまで、世界を滅ぼしかねないほどの威圧感を放っていた黄金の龍。

その龍が、少女の一言で押し黙っている。
一体、何が起きているのか。


オールマイトでさえ、口を開けたまま固まっていた。

「……あの龍と、普通に会話している……?」

エンデヴァーの声が、遠くからかすかに聞こえた
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