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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第10章 神野区の悪夢編


オール・フォー・ワンは初めて、理解を拒むほどの恐怖を覚えた。


これは、個性ではない。

いや、個性なのかもしれない。

しかし、自分が知っている個性という枠組みでは説明がつかない。



彼が侵入したのは、彼女の個性の領域ではなかった。




そのさらに奥。
彼女の身体の奥底で、永い眠りについていた何か。
触れてはならないもの。


目覚めさせてはならないもの。
それを、自分自身の手で呼び起こしてしまったのだ。


「まさか……」


オール・フォー・ワンの思考が、激しく乱れる。

「この女の中に……こんなものが……?」

次の瞬間。
現実の世界が、黄金に染まった。


「――っ!?」


彼女の身体から、眩い光が溢れ出した。

オール・フォー・ワンの腕が弾かれる。
彼女を支えていた力が失われ、その身体が宙へと浮かび上がった。


「おもち!!」


オールマイトが叫ぶ。
しかし、誰も近づけなかった。
黄金の光は彼女を中心に広がり、地面を覆い、崩れた建物を照らし、立ち込めていた煙さえも押し退けていく。


それは単なる発光ではなかった。
周囲の空気が震え、地面が軋み、空間そのものが悲鳴を上げているかのようだった。


彼女の背後に、巨大な影が浮かび上がった。
長大な胴体。

幾重にも重なる金色の鱗。
天を睨む角と、すべてを見透かす鋭い瞳。
その巨体は、現実の尺度では測れないほど巨大だった。


一度、ゆっくりと身体をうねらせる。
その動きだけで、周囲の瓦礫が宙へと舞い上がった。


「な……んだ、あれは……!」


誰かが悲鳴にも似た声を上げる。

マウントレディは、思わず息を呑んだ。

ベストジーニストも、傷ついた身体を忘れたように目を見開いている。

死柄木弔は、掻きむしろうとしていた首の動きを止めた。

荼毘の顔からも、余裕の笑みが消えていた。

トガは、口元に手を当てたまま動かない。

誰もが、目の前の光景を理解できなかった。

それは、あまりにも現実離れしていた。



まるで神話の一節が、地獄のような戦場にそのまま現れたかのようだった。




黄金の龍。
その姿を見た瞬間、彼女の意識の奥底に、かつての夢が蘇った。
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