第9章 林間合宿
厄介な存在。
彼女の個性に、何が隠されているのか。
あの森で土魔獣が彼女を恐れたように見えたことも、決して無関係ではないのかもしれない。
けれど、今は考えている時間がない。
爆豪が連れ去られた。
そして、おもちも敵の手の中にいる。
彼女の個性が何であろうと。
彼女がどんな秘密を抱えていようと。
緑谷にとって、彼女は大切なクラスメイトだった。
「……行こう、轟くん」
緑谷は顔を上げた。
「絶対に、みんなを助けるんだ」
夜の森を抜ける風が、彼らの頬を冷たく撫でた。
林間合宿は、もう訓練ではない。
仲間を取り戻すための、本当の戦いが始まろうとしていた。