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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第9章 林間合宿


施設へと続く森の道を、五人は警戒しながら進んでいた。
先頭を歩くのは障子。そのすぐ後ろに轟と緑谷が続き、爆豪を中心に常闇が周囲を警戒する。いつ敵が襲いかかってきても対応できるよう、互いの死角を補う陣形だった。

「爆豪、勝手に動くなよ。お前が狙いなんだ」

轟が念を押す。

「分かってんだよ、クソが。てめえに指図されなくてもな」

爆豪は苛立たしげに吐き捨てた。
だが、その視線は絶えず森の奥へと向けられていた。
頭にこびりついて離れないのは、土埃にまみれた淡い色のエプロン。
そして、マンダレイの通信。

――ヴィランの狙いは、爆豪勝己。それから、おもち!!

自分が狙われる理由なら、まだ分かる。
だが、なぜ彼女まで。
個性が使えないことを知った上で、敵は彼女を狙っている。偶然などではない。誰かが情報を流しているのだ。
そのことが、爆豪の苛立ちをさらに強めていた。



不意に聞こえた声に、緑谷が顔を上げた。
木々の間から、二つの人影が駆け寄ってくる。
麗日お茶子と蛙吹梅雨だった。

「麗日さん!蛙吹さん!」

「みんな、無事だったんだね!」

緑谷が安堵したのも束の間、二人の様子に気づいて表情を変えた。
麗日は腕を押さえ、制服には土や葉が付着している。蛙吹も頬に傷を負い、呼吸が少し乱れていた。

「二人とも、怪我してるじゃないか!」

「大丈夫だよ、緑谷くん。ちょっと転んじゃっただけだから」

麗日はそう答えたが、無理をして笑っているのは明らかだった。

「梅雨ちゃんも、どこか痛むの?」

「少しだけ。でも、今はそれどころじゃないわ」

蛙吹は周囲を見回し、緊張した面持ちで尋ねた。

「ねえ、爆豪ちゃんはどこにいるの?」

「え?」

緑谷は一瞬、質問の意味が分からなかった。

「何言ってるの?かっちゃんは後ろに――」

振り返る。
そこにいるはずの、金髪の少年。
そして、黒い鳥の頭部を持つクラスメイト。
二人の姿が、なかった。



「…………え?」
緑谷の顔から、血の気が引いた。

ほんの少し前まで、確かにそこにいた。

爆豪は舌打ちをしながら歩いていたし、常闇は周囲の闇を警戒していた。
声も聞こえていた。


なのに。

「かっちゃん……?」

緑谷は、慌てて来た道を振り返った。
誰もいない。
木々が立ち並び、夜の闇が広がっているだけだった。
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