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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第9章 林間合宿



「……何も?」

「個性に関する情報が、まるで抜け落ちているみたいだった」

彼女の指先が、わずかに動いた。

やはり、そうなのだ。
自分の個性は、ただ使えなくなっただけではないのかもしれない。

「それで、ほかには……?」

彼女は自分でも驚くほど、慎重に尋ねていた。
一瞬迷い、彼女の目を見つめた。


「……ひとつだけ、見えたものがあるわ」


「何が……見えたんですか?」




「龍だよ」
その言葉に、彼女の表情が凍りついた。



「あなたの身体の周りに、龍が寄り添っていたの。まるで、あなたを守護するように」
一瞬、周囲の音が遠のいた気がした。
彼女の脳裏に、ある光景がよみがえる。

夢の中で見た、静かに眠る金色の龍。

水面。

赤い鳥居。

そして、こちらへ向けられた、どこか懐かしい眼差し。

――迎えに来た。


あの声は、いったい何だったのだろう。


「……そんな」
かすかな声が漏れた。
彼女の反応を注意深く見つめる。

「心当たりがあるの?」

彼女はすぐには答えなかった。
夢の話をすべきなのか。それとも、自分でも確信の持てないことを口にするべきではないのか。
頭の中で、いくつもの考えが交錯する。

やがて、彼女はゆっくりと顔を上げた。

「……以前、夢を見たことがあります」

「夢?」

「はい。龍が出てくる夢です。金色の龍が、静かな水辺で眠っていて……私は、その龍に何かを尋ねようとしていました」
そこで、彼女は一度言葉を切った。


「でも、答えを聞く前に目が覚めてしまって」
黙って耳を傾けていた。


金色の龍。
個性の情報が見えない彼女。
そして、サーチで見えた、彼女を守るように寄り添う龍。
偶然だと片づけるには、あまりにも奇妙な符合だった。


「……そう」


静かに息を吐いた。

「今の私には、それが何を意味するのかまでは分からないわ。でも、あなたの周りに何かが存在していることだけは、確かに感じ取れた」

「それは……私の個性と関係があるのでしょうか」

「可能性はあると思う。でも、断言はできない」
真剣な表情で答えた。
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