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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第9章 林間合宿


一方、食堂では、
「……あいつ、どこ行きやがった」
食事を終えた爆豪が、空になりかけた彼女の席を見て眉を寄せていた。

「爆豪、どうした?」
切島が顔を上げる。

「別に」
そう答えながらも、爆豪の視線は彼女が出ていった扉に向いていた。

少しして、彼は食堂の隅に用意されていた果物に目を留めた。
りんごやオレンジ、切り分けられた果物が皿に盛られている。


……あんまり食ってなかったからな。
せめて、これくらいなら食えるかもしれねぇ。

自分でも、なぜそこまで気にしているのか、うまく説明できなかった。
ただ、森で彼女が土魔獣に捕らえられた瞬間が、何度も脳裏によみがえる。


あのとき、あと少し遅れていたら。
考えたくもなかった。

爆豪は皿に果物をいくつか取り分けると、そそくさと食堂を出た。

「おい、爆豪!そんなの持ってどこ行くんだ?」

切島が声をかける。

「うるせぇ!ついてくんな!」

「いや、ちょっと待て!食堂からいなくなるなら、行き先くらい――」

「委員長か、オメェは!」

そんなやり取りを背に、爆豪は廊下を歩いていった。

おもちが向かった先など知らない。

ただ、建物の外に出たのなら、そう遠くには行っていないだろう。

そう考えて裏手へ回った、そのときだった。


「あ……」
建物の角を曲がった先。

夕闇の中に、見慣れた後ろ姿があった。

壁に寄りかかり、片手に細いものを持っている。

彼女の唇から、白い煙がゆっくりと吐き出された。

爆豪は足を止めた。

「…………は?」

一瞬、見間違いかと思った。
しかし、彼女が再び煙を吐き出すのを見て、現実だと理解する。


「おまっ……何して……」
声が出かかった、その瞬間。

彼女が振り返った。
目が合う。

そして、彼女は固まった。
爆豪も固まった。

数秒間、二人の間に沈黙が落ちる。
彼女の手元にあるもの。


立ち上る煙。
それらを見比べた爆豪の頭の中で、いくつもの疑問が一斉に弾けた。


なんで吸ってんだ。
つーか、いつから。
相澤に注意されてやめたんじゃねぇのか。
いや、待て。

なんで俺は、こいつがタバコ吸ってる姿なんか見て、こんなに動揺してんだ。

「……爆豪くん」

彼女が、なんとも言えない声で呼んだ。
爆豪は口を開いた。

「てめ――」
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