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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第9章 林間合宿


施設の裏手は、食堂の喧騒が嘘のように静かだった。
夕暮れの空は、薄い橙色から深い藍色へと移り変わりつつある。木々の間を吹き抜ける風が、火照った肌を優しく冷ましていった。

おもちは建物の壁に背を預け、制服のポケットを探った。
指先に触れた細長い箱。

しばらく、それを取り出すかどうか迷っていた。

体育祭の頃、相澤に見つかって注意されてから、やめたはずだった。
もう吸わないと決めた。

それなのに、今日ばかりは、頭の中を占める疑問をどうにかして静めたかった。
一本、取り出す。

火をつけると、先端が赤く灯った。

彼女はゆっくりと煙を吸い込み、肺の中に満たされていく感覚に目を閉じた。
吐き出した煙が、夕闇に溶けていく。

胸の奥に張りついていた緊張が、ほんの少しだけほどけた気がした。



「……はぁ」
小さく息を吐く。

考えることをやめたいわけではない。ただ、今だけは、何も考えずにいたかった。
けれど、一本目が短くなると、指先は自然と次の一本を探していた。

一本。二本。

自分でも、よくないことをしている自覚はある。

それでも今は、やめられなかった。
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