• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第8章 夏休み


「……チッ」

そのとき、
ガチャリ、と扉が開いた。
全員が一斉に顔を上げる。

「もう入っていいよ」

リカバリーガールの声だった。

その言葉が終わるより早く、葉隠が動いた。

「おもちちゃん!!」

「葉隠くん!一度に押しかけては迷惑だろう!」
飯田の制止もむなしく、心配でたまらなかったクラスメイトたちは、次々と保健室へなだれ込んでいった。

「大丈夫か!?」

「意識は戻ったの!?」

「どこか痛いところはない!?」
口々に飛び交う声。


けれど、ベッドの上に横たわる彼女の姿を目にした途端、皆の声が少しずつ小さくなった。



彼女は静かに眠っていた。
白いシーツの上に広がる黒髪。普段は凛としている顔立ちも、今はどこかあどけなく見える。

倒れたときの青白さは幾分和らいでいた。呼吸も落ち着いているように見える。
それでも、目を覚ます気配はなかった。

「……よかった。顔色、少し戻ってる」

麗日が胸を撫で下ろす。

「でも、まだ眠っているのね……」
葉隠の声が震えた。

「大丈夫だ。リカバリーガールが診てくださっている。まずは先生の話を聞こう」

飯田は皆を落ち着かせるように言った。
その間も、爆豪はベッドのそばから動かなかった。

眠る彼女の顔をじっと見つめている。
先ほどまで自分の腕の中で力なく崩れ落ちた身体が、今はシーツの上に横たわっている。

その光景を見ていると、胸の奥がざわついた。

「……おい、ババア」

低い声が室内に響いた。
リカバリーガールが振り返る。

「なんだい?」

「こいつ、昨日、病院で検査受けたらしいな」
室内の空気が変わった。

「えっ、検査?」
上鳴が目を丸くする。

爆豪はリカバリーガールから目を逸らさなかった。

「腕に採血の痕があった。昨日、病院に行ったって話も聞いた。今日のこれと関係あんのか?」

遠慮も、気遣いもない。

けれど、その問いには、彼なりの切実さがあった。
リカバリーガールはしばらく爆豪を見つめ、それから小さく息を吐いた。

「……まったく。あんたは本当によく見ているね」

「質問に答えろ」
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp