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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第8章 夏休み


「天国だと思ったら地獄だった……」

「女子は楽しそうなのに、なんで俺たちだけ……!」

「文句を言うな!始めるぞ!」
飯田の号令が飛ぶ。

こうして、同じプールを使っているとは思えないほど、男女でまったく異なる時間が流れ始めた。

女子たちはビーチボールを追いかけ、きゃあきゃあと声を上げる。

男子たちは飯田の指示に従い、水の抵抗に苦しみながらトレーニングに励む。
まさに、天国と地獄の二本立てだった。

その光景を眺めながら、おもちはくすりと笑った。

「……本当に、賑やかなクラスね」

夢の中で感じていた不思議な緊張も、今は少しだけ遠のいていた。
こういう何気ない日常が、ずっと続けばいい。
ふと、そんなことを思った。


しばらくして、プールサイドで休憩を取ることになった。
水から上がったおもちがタオルで髪を押さえていると、飯田がクーラーボックスを抱えてやってきた。

「皆、休憩時間だ!水分補給を忘れないように!」

「わー!飯田くん、ありがとう!」
麗日が嬉しそうに声を上げる。

「トレーニングの合間に飲むジュースは格別だな!」
そう言いながら、飯田は一人ひとりに冷たいジュースを配っていった。

「おもちくんも、どうぞ!」

「ありがとう、飯田くん。気が利くのね」
彼女はジュースを受け取り、冷えた缶を両手で包み込んだ。

缶の表面には、細かな水滴が浮かんでいる。
プルタブを開け、ひと口飲む。


冷たい液体が喉を通り抜け、火照った身体に染み渡った。
「……おいしい」

思わずこぼれた言葉に、飯田は満足そうに頷いた。

「それはよかった!水分補給は大切だからな!」

「ふふっ、ありがとう」
おもちは青空を見上げた。

眩しい太陽。きらめく水面。遠くから聞こえてくるクラスメイトたちの笑い声。
今、この瞬間だけは、何もかも忘れて楽しんでいられる。

けれど、胸の奥には、まだひとつの問いが残っていた。
――あの龍は、一体何者なのだろう。

冷たいジュースをもうひと口飲み、彼女はそっと目を細めた。
答えは、まだ見つからない。

いつか必ず、その真実にたどり着く。
彼女はそう、静かに決意していた。
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