第2章 雄英高校入学編
投票の結果、最多票を獲得したのは緑谷出久と八百万百に並びおもちだった。
「三人が委員長候補、てことだな」
相澤が黒板に名前を書く。
教室から拍手が起こる。
緑谷は慌てた様子で手を振った。
「ぼ、僕なんかでいいのかな……!」
その横で、彼女は静かに二人を見ていた。
――なるほど。
周囲を見て動ける緑谷。
知識と判断力に優れた八百万。
どちらも適任だろう。
そして自分は
「……」
少し考えたあと、彼女は手を挙げた。
「先生」
「なんだ」
「私は、委員長候補から外していただいて構いません」
教室がざわつく。
「えっ?」
緑谷が振り返る。
「どうして?」
彼女は微笑んだ。
「私は、周囲を見ること自体は得意です。でも、人をまとめる立場になるより、状況を見て必要なところを補うほうが向いていると思います」
「でも、票はかなり入ってたよ?」
麗日が言う。
「ありがとう。でも、それはきっと、今日の訓練でそう見えただけ」
彼女は教室を見回す。
「私はみんなのことをまだよく知らない。そんな状態で、みんなを代表する立場になるのは違うと思う」
その言葉に、緑谷が少し目を見開いた。
「だから、私は辞退します」
飯田が真剣な顔で頷く。
「非常に合理的な判断だ!」
「……そう?」
「自分の適性を正確に把握している。素晴らしい!」
彼女は少しだけ苦笑した。
「ありがとう」
こうして委員長候補は緑谷と八百万に決まった。
――その直後。
「オールマイトが校内にいるぞ!」
「マスコミだ!」
「どうしてこんなところに!?」
校内が一気に騒がしくなった。