第1章 公安からの指令
昼休み
彼女は一人で弁当を食べていた。
教室の隅。
周囲では、すでに何人かがグループを作っている。
笑い声。
くだらない会話。
彼女はそれを聞きながら、ノートを開いた。
そこには
生徒たちの名前
個性
性格
簡単な行動傾向
そして
危険度
「……」
ペンを走らせる。
そのとき
「お前」
声がした。
顔を上げる。
爆豪だった
「何か?」
「さっきから何見てやがる」
「ノート」
「見りゃ分かる」
「なら聞かなくていい」
爆豪の眉間に皺が寄る。
「……テメェ」
彼女は平然としている。
「何?」
「なんかムカつくな、お前」
「そう」
「否定しろや!」
「否定する必要ある?」
「……チッ」
爆豪は去っていく。
彼女はその背中を見る。
――爆豪勝己
短気
攻撃的
しかし
「……」
先ほどの会話
彼は自分が何を見ているのか、かなり早い段階で気づいた。
観察力は高い
警戒対象として――
記録
そう書こうとして
手が止まった
「……」
なぜか、少しだけ面白かった。