• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第7章 期末テスト編


それから、自分の髪にそっと触れる。

「いえ。試験ですから、仕方ありません」

「いや、それで済ませてはいけないこともある。君が痛い思いをしたことに変わりはないからね」

「……そうですね」

彼女は少し考えたあと、素直に頷いた。

「次からは、もう少し手加減していただけると助かります」

「はは……もちろんだとも」
オールマイトの表情が、ようやく少し和らいだ。

だが、彼はすぐに真剣な顔へと戻った。

「それと、もう一つ聞きたいことがあるんだ」

「何ですか?」

「試験の最後……私が君を引き止めた時のことだ」
彼女の指先が、膝の上でわずかに止まった。

「私が君に言葉を投げかけた直後、君の目が変わった」
オールマイトは、あの瞬間を思い返していた。


仲間に守られなければ何もできないのか。

自分では何もできず、他人の後ろに隠れるだけ。そんな者がヒーローを目指すとは、笑わせてくれる。

教師として、生徒の本気を引き出すために放った言葉だった。


だが、彼女が顔を上げた瞬間。
そこにあったのは、普段の冷静な彼女からは想像もできないほど、鋭く、冷たい眼差しだった。


まるで、目の前にいる人間を本当に殺すつもりでいるかのような。

「……君は、あの時のことを覚えているかい?」

「ええ」

「その時の、自分の気持ちは?」

「……気持ち、ですか?」
彼女は不思議そうに首を傾げた。

「正直に言うと、少し腹が立ちました」

「腹が立った?」

「はい」
彼女は淡々と続けた。

「自分が何もできないと決めつけられたように感じたので。……でも、それだけです」

「それだけ……」

「ええ」
彼女は考え込むように視線を落とした。

「ただ、あの時は少し頭に血が上っていたのかも。緑谷くんと爆豪くんが助けに来てくれたから、そっちに意識が行きました」


そして、ふと思い出したように顔を上げる。

「……もしかして、私、そんなに怖い顔してました?」

オールマイトは返事に詰まった。

「え?」

「オールマイト、さっきから緊張してるみたいだから」


彼女は自分の頬に触れた。

「殺気が顔に出てたのか…」

保健室の空気が、わずかに張り詰めた。
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp