第7章 期末テスト編
その頃、モニタールームの後方では、試験を終えた生徒たちも映像を見つめていた。
「すご……」
芦戸が思わず呟く。
「爆豪と緑谷、最後めっちゃ息合ってなかった!?」
「最初は喧嘩ばっかりだったのにね」
麗日が驚いたように頷く。
「それに、おもちちゃんもすごかったよ。個性を使わずに、ずっと二人をサポートしてたんだよね?」
「うん。状況判断が的確だった」
八百万が真剣な顔で答えた。
「自分が直接戦えなくても、二人の能力を活かせるように動いていたわ。あれも立派な戦い方だと思う」
「でも……最後のあれ、何だったんだろう」
上鳴が、少し声を落とした。
モニターには、オールマイトを睨みつける彼女の顔が映っていた。
「……正直、ちょっと怖かった」
「分かる」
切島が腕を組む。
「普段のあいつから、あんな目が出てくるなんて思わなかったぜ」
「まるで、別人みたいだったね」
耳郎も眉を寄せる。
普段の彼女は、いつも冷静で、落ち着いている。
ときどき冗談を言ったり、柔らかく笑ったりすることもあるが、感情を露わにすることはほとんどない。
そんな彼女が、あの一瞬だけは違った。
怒りを隠すどころか、周囲の空気まで凍らせるような殺気を放っていた。
「でもさ」
切島が、ぽつりと言った。
「最後、爆豪も緑谷も、あいつを助けるために全力で走ってたじゃん」
「……そうね」
麗日が微笑む。
「三人とも、ちゃんと仲間だったんだね」
その言葉に、何人かが頷いた。
彼女が何を隠しているのか。
どうしてあんな眼差しを見せたのか。
それは、誰にも分からない。
ただ、彼女が一人で抱え込んでいる何かがあることだけは、映像を見た生徒たちにも伝わっていた。