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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第7章 期末テスト編


その瞳には、相手を打ち負かすという闘志すらない。

ただ、排除する。

邪魔なものを、確実に。
そんな冷酷な意思だけが、そこにあった。

オールマイトは思わず、彼女を掴む指に力を込めた。



いや、違う。
力を込めたのではない。

一瞬、身体が動かなかったのだ。

彼女の眼差しから、目を逸らせなかった。


モニタールームでは、誰もが息を呑んでいた。

「……なんだ、今の」

相澤が低く呟く。

画面の中の彼女は、いつもの彼女ではなかった。
その眼差しには、個性を使えない生徒の弱さなど微塵もない。

むしろ、今まで隠していた何かが、ほんの一瞬だけ表に出てしまったようだった。

そして、オールマイトの手がわずかに緩んだ瞬間。
爆豪が動いた。

「――てめぇ、何してやがる!!」

爆破の轟音が響く。
緑谷も、迷わず駆け出した。

「おもちさんを離せぇぇぇ!!」

先ほどまで、まともな連携すら取れなかった二人。
互いの言葉に反発し、相手の行動に苛立っていた二人。
その二人が今、同じ方向へ走っていた。

仲間を助けるために。

彼女は、二人の姿を見つめた。
殺気に染まっていた瞳が、ほんの少しだけ揺れる。

自分は、誰かを頼ることが苦手だ。

誰かに弱さを見せることも。

誰かに助けられることも。

けれど、二人は何も尋ねず、ただ助けに来てくれた。

その事実が、彼女の中に残っていた冷たい感情を、少しずつ溶かしていく。


爆豪の爆破がオールマイトの足元を弾く。
緑谷の手が、彼女へと伸びる。

「掴まれ!」

彼女は、その手を取った。
そして、三人はゴールへと飛び込んだ。

試験終了のブザーが鳴り響く。
合格。
それでも、彼女の胸の奥には、ひとつの疑問が残っていた。

――今の私は、何をしようとしたのだろう。

個性が使えなくなってから、自分の中に何かが変わってしまったのか。
それとも、これまで、ずっと隠してきたものが、初めて表に出ただけなのか。

答えは、まだ見つからなかった。

ただ一つ確かなのは、オールマイトが見たあの眼差しを、彼女自身もまた、恐れていたということだった。
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