第7章 期末テスト編
だが、オールマイトはそれを見逃さなかった。
「なるほど! 少しは考えているようだな!」
彼は一歩踏み込み、三人の退路を塞いだ。
「だが、まだまだ甘い!」
拳が振り下ろされる。
三人は散開した。
おもちは建物の壁を蹴り、横へ飛び退く。
いつもなら、ここで個性を使って状況を制御できた。
敵の動きを封じ、味方の進路を確保する。
けれど、今は何もできない。
自分の身体だけで避けるしかない。
その現実が、彼女の胸の奥を冷たく締めつけた。
――使えない。
何度認めようとしても、受け入れきれない。
自分の力が戻らなければ、何ができる?
これまで積み上げてきたものは、どこまで残っている?
彼女の呼吸が、わずかに乱れた。
「……っ」
その瞬間、オールマイトの視線が彼女を捉えた。
ほんの一瞬、彼女の表情に浮かんだもの。
それは恐怖だったのか。
それとも、怒りだったのか。
彼には判別できなかった。
ただ、普段の彼女には見られない、ひどく冷たい感情がそこにあった。