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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第7章 期末テスト編


試験開始まで、あと数分。

三人はスタート地点で、オールマイトの待つ訓練場を見渡していた。

「相手はオールマイト……か」

緑谷が緊張した面持ちで呟く。

「正面からぶつかって勝てる相手じゃない。ゴールまでの経路を考えて、隙を見つけないと……」

「ごちゃごちゃ考えてんじゃねぇ。ぶっ飛ばして進めばいいだろうが」

「そんな簡単にいくわけないよ!」

いつものように言い合いを始める二人をよそに、おもちは自分の右手を見つめていた。

指先に、わずかな力を込める。
意識を集中させる。
いつもなら、そこにあるはずの感覚。
自分の意思に応じて、世界へと干渉する力。

――何も起こらない。

彼女はゆっくりと指を閉じた。
もう一度。
今度は、胸の奥へ意識を向ける。

それでも、何も感じなかった。

まるで、ずっと自分の一部だったものが、最初から存在しなかったかのように。

「……」

「おい」
低い声に、彼女は顔を上げた。

爆豪がこちらを見ていた。

「何やってんだ」

「何も」

「……ふん」
爆豪はそれ以上、追及しなかった。

彼女の返事が嘘だということくらい、分かっている。
以前、階段の陰で耳にした会話。

個性が使えなくなった。
いつ戻るかも分からない。

その事実が、今になって妙に重く感じられた。
目の前の女は、いつもと変わらない顔をしている。

背筋は伸び、視線は冷静で、周囲の状況を淡々と分析している。

だが、爆豪は気づいていた。

彼女は今、個性を使おうとしていた。

そして、何も起きなかった。
爆豪は舌打ちをした。

……チッ。

何を隠してやがる。

いや、隠していること自体は今に始まったことじゃねぇ。
問題は、こいつがそれを誰にも言わず、いつもどおりに振る舞っていることだった。

「三人とも、準備はいいかな?」

オールマイトの声が響く。
爆豪は視線を前に戻した。
今は、試験に集中するしかない。

ただし、彼は無意識のうちに、彼女の立ち位置を確認していた。
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