第7章 期末テスト編
「……おいしいね、これ」
「だろ!?」
切島は自分のことのように喜んだ。
「同じの頼んで正解だったな!」
「うん。切島くんと同じにしてよかった」
何気なく返した言葉だった。
けれど、切島は少しだけ目を丸くしたあと、照れくさそうに笑った。
「へへっ。そう言われると、なんか嬉しいな!」
その様子を見ていた爆豪が、ふと口を開く。
「……お前、普段は何食ってんだ?」
「私?」
「ほかに誰がいんだよ」
「そうだね……自分で作ることもあるよ。簡単なものが多いけど」
「料理すんのか!?」
切島が驚いた声を上げる。
「するよ?」
「いや、なんか意外だな! なんでもできそうだけど、料理までできんのか!」
「そんなに大したものは作れないよ。得意なのは、煮込み料理かな」
「煮込み料理!? すげぇ大人っぽい!」
「そう?」
彼女は首を傾げた。
「カレーとか、シチューとか?」
「うん。あと、肉じゃがとか」
「肉じゃが!?」
切島が食いついた。
「うわ、いいな! 俺、あれ好きなんだよ!」
「そうなんだ。今度、機会があったら作り方を教えてあげるね」
「マジか! 約束だぞ!」
「うん、約束」
彼女が小指を軽く立てると、切島は一瞬きょとんとした。
「……え、指切り?」
「嫌だった?」
「いや! 全然!」
切島は慌てて自分の小指を絡めた。
「約束な!」
二人が笑い合う。
その光景を見ていた爆豪は、なぜか妙に落ち着かなかった。
「……ガキかよ」
「いいじゃねぇか! 約束は大事だろ!」
「口だけの約束ならいくらでもできんだろうが」