第7章 期末テスト編
週末―――
夏の日差しが容赦なく照りつける中、彼女はスマートフォンの地図を確認しながら、切島に指定されたファミリーレストランへ向かっていた。
「……ここね」
目的地は、駅から少し歩いた大通り沿いの店舗だった。
まだ待ち合わせの時間には余裕がある。それでも、照り返しの強いアスファルトを歩いてきたせいか、額や首筋にはほんのり汗がにじんでいた。
彼女は手の甲で額を軽く押さえ、服の裾を整える。
今日の服装は、いつもの彼女からは想像しにくいものだった。
白い半袖シャツは丈が短く、動くたびにちらりとおへそが見える。下はデニムのショートパンツ。足元には厚底のサンダル。
長い脚がすらりと伸び、すっきりとまとめた髪と相まって、どこか都会的で華やかな印象を与えていた。
どう見ても、普段の彼女とは違う。
というより――少しギャルっぽい。
もっとも、本人は特に気にしていなかった。
今日の服は、公安から用意されたものの中にあった一着だ。年齢や立場を踏まえ、一般的な女子高生として違和感のない服装を選ぶよう指示されていた。
ただ、公安が考える「女子高生らしさ」が、少々派手な方向に振り切れていただけである。
彼女は教科書と文房具を詰めたトートバッグを持ち直し、ファミリーレストランの入口へ向かった。
しかし、店の前にはまだ切島と爆豪の姿はない。
スマートフォンで時刻を確認する。
約束の時間までは、まだ十五分ほどあった。
「……早く来すぎたかな」
彼女は周囲を見回した。
入口付近は日差しが強い。少し離れた場所に屋根付きの歩道があるのを見つけ、そちらへ移動する。
日陰に入ると、直射日光から解放されて、いくらか涼しく感じられた。
「よかった……」
トートバッグを肩に掛け直し、スマートフォンを取り出す。
切島に到着したと連絡しようか。
そう考えていた時だった。