第7章 期末テスト編
放課後
彼女は帰り支度をしながら、机の上に並べたノートを見つめていた。
筆記試験の対策はできる。
切島たちに教えることも、きっと問題ない。
けれど、実技試験だけは別だった。
個性が使えない以上、今までと同じやり方では通用しない可能性が高い。
それでも、試験を受けないという選択肢はなかった。
(……まずは、今の自分にできることを整理しないと)
個性が使えないなら、体術や状況判断、周囲の環境を利用する方法を考える。
相手が教師なら、真正面から倒すことだけが正解とは限らない。試験の目的を見極め、勝利条件を探ればいい。
彼女はノートを鞄にしまった。
――考えることなら、まだできる。
その少し後ろで、爆豪が彼女の横顔を見ていた。
先ほどまでの笑顔は消え、彼女は何かを思案するように静かに目を伏せている。
(……こいつ、実技どうするつもりだ)
週末の勉強会に参加する理由は、法律学の確認だけではなかった。
あの女が何を考え、どうやって期末試験を乗り切るつもりなのか。
少しでも近くで見ておきたかった。
もちろん、本人にそんなことを言う気はない。
「おい、クソ髪。日曜、遅刻したらぶっ殺すぞ」
「なんで俺だけ!?」
「うるせぇ!」
教室に響く二人の声を聞きながら、彼女はまた小さく笑った。
期末試験まで、あとわずか。
彼女にとって本当の難関は、筆記試験ではなかった。