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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第6章 保須市襲撃事件


久しぶりだった。


雄英への潜入捜査が始まって以来、こうした任務からは距離ができていた。

学校へ通い、授業を受け、クラスメイトたちと過ごす。

時には笑い、時には困り、彼女自身も忘れかけていた。

普通の学生として過ごす時間が、どれほど自分にとって異質なものだったのかを。

けれど、黒い衣装に身を包んだ今、身体はすぐに任務の感覚を思い出していた。
余計な思考を切り離す。
周囲の情報を整理する。
感情を判断の中心に置かない。
自分が何者で、何をしに来たのかを明確にする。

それは、かつての自分が何度も繰り返してきたことだった。
――戻ってきた。

そんな感覚が、胸の奥をかすめる。
自分が本来いるべき場所。
そう呼ぶべきなのかは、分からなかった。

ただ、雄英で過ごしている間に遠ざかっていた何かが、再び自分を引き寄せている。
彼女は鏡の中の自分を見つめ、静かに息を吐いた。

「……よし」

更衣室を出ると、ホワイトクレインが壁に寄りかかって待っていた。
その手には、縦長の黒いケースがある。

「持っていけ」

差し出されたケースを、彼女は両手で受け取った。
ずしりとした重み。
中に入っているものは、開けなくても分かっていた。

「……ライフルですか」

「他に何が入ってると思ったんだ」

彼女はケースを見下ろした。
遠距離から対象を狙うための武器。
今回の任務に必要な装備として、公安から手配されたものだった。

「こんな物騒なもん、毎度のことながら預かるのは慣れねぇな……」

ホワイトクレインが、ぼやくように言った。

「ヒーロー事務所の代表が言う台詞ですか?」

「ヒーローだから言ってんだよ。人を救うための装備なら、いくらでも歓迎する。だが、こういうもんはな……」

彼はそこで言葉を切った。

彼女の手元へ視線を落とす。


「お前が扱いに慣れてることくらい、知ってる。だが、慣れてるからって、何とも思わなくなるなよ」
彼女は黙っていた。

ホワイトクレインは、それ以上何も言わず、ケースを渡した手を引いた。

彼女は取っ手を握り直す。
その重みが、過去の記憶を呼び起こしていた。
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