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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第6章 保須市襲撃事件


その頃だった。
彼女の携帯端末が、短く震えた。

画面に表示されたのは、公安からの暗号化された連絡。
彼女は一度だけ周囲を確認し、通知を開く。

任務対象の所在。

現地の状況。

実行可能な時間帯。

そして、最後に記された一文。


――実行許可。対象を排除せよ。
彼女の表情から、わずかな柔らかさが消えた。

「……来たか」

向かいにいたホワイトクレインが、低く呟いた。
「はい」

「今夜か」

「ええ」
それだけで、十分だった。
彼は詳しい事情を尋ねなかった。
対象が誰なのか、どこにいるのか、どんな手段で任務を遂行するのか。
それらを知る必要がないことを、彼は理解していた。

「……無茶だけはするなよ」

「分かっています」

「その返事、信用ならねぇんだよな」
彼女は小さく笑った。

「ひどいですね」

「お前が信用できるようなことをしてから言え」
ホワイトクレインは立ち上がり、事務所の奥へと向かった。

「着替えてこい。準備してある」

「ありがとうございます」
彼女は一礼し、奥の更衣室へ入った。
扉が閉まる。
そこでようやく、彼女は手に持っていた携帯端末を伏せた。


日中に着ていたヒーローコスチューム。
雄英の生徒として、ヒーローを学ぶための衣装。

それを丁寧に脱ぎ、ハンガーへ掛ける。
鏡の前に立った彼女は、しばらく自分の姿を見つめていた。
体育祭の映像に映った顔。
クラスメイトたちと笑った顔。
自分で選んだヒーロー名を発表したときの、照れくさそうな顔。
あの時間は、確かに楽しかった。


「……切り替えないと」

小さく呟き、彼女は用意されていた衣装へ手を伸ばした。

夜の闇に溶け込む、黒を基調とした暗殺用の装備。
余計な装飾はない。
動きを妨げない素材と、必要な機能だけを備えた実用的な衣装だった。
手袋をはめ、装備を確かめ、身体に沿うように整える。

白い肌と黒い衣装の対比が、鏡の中に浮かび上がった。
先ほどまでの雄英生の面影が、少しずつ遠ざかっていく。

彼女は襟元を整え、髪をまとめた。
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