• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第6章 保須市襲撃事件


「……おい。聞いてるか?」
ホワイトクレインの声で、彼女は現実に引き戻された。



「はい。聞いています」



「本当か? 途中から、どこか遠くへ行ってたぞ」



「少し、思い出しごとを」



「まったく……。まあ、いい」
ホワイトクレインは椅子に腰を下ろし、改めて彼女を見た。

「個性について、答えられる範囲でいい。分かっていることを教えてくれ」

彼女は数秒、沈黙した。
そして、静かに口を開いた。
「……私自身も、まだ分かっていないことがあります」

ホワイトクレインの眉が上がる。
「分かっていない?」

「はい。個性の使い方は理解しています。でも、その力の根本が何なのか、すべてを把握できているとは言い切れません」

彼女は自分の手のひらを見つめた。
「最近、少し気になることもあって」

「気になること?」

「……それは、もう少し整理してから話します」
ホワイトクレインは、彼女の顔をしばらく見つめた。

やがて、深く息を吐く。
「分かった。無理に聞き出すつもりはない。ただし、危険があるなら一人で抱え込むな」

「……はい」

「公安の人間だろうが、雄英の生徒だろうが、ここにいる間は俺の預かりだ。何かあれば報告しろ。これは職業体験の指導者としての命令だ」

彼女は、思わず小さく笑った。
「分かりました、ホワイトクレインさん」

「よし。じゃあ、まずは事務所の案内だ。救助現場の指揮系統も見せる。お前の個性に役立つこともあるだろう」

「ありがとうございます」
彼女は立ち上がった。

表向きの職業体験。
裏で進む公安の任務。

そして、自分自身にも説明できない、龍の夢。

三つの異なる現実が、彼女の中で少しずつ重なり始めていた。
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp