• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第5章 束の間の休息


記録された情報と、彼女の本当の能力。

そこには、意図的に隔たりが設けられ、幼い彼女には、その意味がわかるはずもなかった。

ただ、父はいつも真剣な顔で言っていた。

『おもちの個性は、今はまだ眠っているんだ。』

『もしも個性が目を覚まして、大きな力を持っていたとしても、だれにもその力のことを教えてはいけないよ』

その言葉だけは、今も彼女の中に残っている。

やがて、彼女の個性の一端に目をつけた公安が接触してきた。
表舞台で称賛されるヒーローではなく、ヒーローが人々の前で正義を貫けるよう、裏側から脅威を取り除く存在。

彼女の個性と判断力は、その役割に適していた。

父が守ろうとした秘密は、結果として彼女をヴィランの目から遠ざけ、公安の一員として生きる今へと道が繋がった。

表舞台で人々を救うという幼い頃の夢とは、違う道。
けれど、誰かを守るという目的だけは、変わらなかった。

ヒーローが救った人々の笑顔。 絶望から立ち上がった人々の希望。 誰かが誰かを信じられる、平穏な日常。

その裏側で、彼女は多くのものを見てきた。
ヒーローが正義を掲げられるように、 人々がヒーローを信じ続けられるように、汚れ仕事も請け負った。

その度に、自分の心がすり減る思いや葛藤が何度もあった。
苦しみを乗り越え、人々の支えになっているヒーローを陰で守る仕事だと割り切った。

――それで十分だった筈なのに。
/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp