第2章 雄英高校入学編
そして、ヒーローコスチューム案が完成した。
黒紫を基調とした、身体の動きを妨げない軽量素材。
上半身は身体に沿うように設計され、首元から胸元、腰のラインまで無駄なく動ける構造になっている。下半身は膝上丈のスカート。
太ももには、公安時代から使っていた特殊装備を収納するためのホルダーが組み込み、外観からは見えない部分にも武器を隠し持てるような作りにした。
腰回りにも最低限の装備。
余計なものは一切つけない。
彼女に必要なのは
「動けること」
そして、「見えること」だった。
周囲を見渡せる。
敵の動きも
味方の位置も
戦況の変化も
すべてを見るために。
「……」
ふと、子どもの頃の自分を思い出す。
テレビの前で、オールマイトを見上げて。
「私もヒーローになりたい」
そう言っていた、小さな自分。
「……」
彼女は、小さく笑った。
「まさかこんな形で夢が実現するなんてね…」
誰にも聞こえない声でそう呟いた。
公安としてではない。
誰かの指示を受けるためでもない。
自分自身が選んだ服装で
自分自身の力で
前へ出る
その可能性を考えるだけで――
胸が高鳴った。