第4章 雄英体育祭編
「ごめんね、芦戸さん。大丈夫?」
彼女は場外へ降り、芦戸に手を差し伸べた。
「う、うん! 大丈夫!」
芦戸はその手を取って立ち上がった。
そして、悔しそうに唇を尖らせる。
「いやー、強いとは思ってたけどさ! まさか、あんなにあっさり飛ばされるとは思わなかった!次はもっと強くなって、絶対リベンジするから!」
「うん。楽しみにしてる」
彼女はほっとしたように微笑んだ。
芦戸はそんな彼女をじっと見つめ、ふと首を傾げる。
「ねえ、ところでさ」
「うん?」
「途中、なんか勝つ気がないみたいな顔してなかった?」
「…………」
彼女の笑顔が、ぴたりと止まった。
「気のせいじゃないかな?」
「えー? そう?」
芦戸は不思議そうにしながらも、それ以上追及しなかった。
彼女は心の中で、そっと胸を撫で下ろす。
(危なかった……)
だが、本当に危ないのは、これからだった。