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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


彼女は真正面から踏み込んだ。
酸の射線を見極め、最小限の動きでかわす。
一歩。
二歩。
そして、相手の懐へ。

芦戸が反応して腕を伸ばした、その瞬間。
彼女は身体を低く沈め、足元へ滑り込むように位置を変えた。

「えっ!?」

芦戸の視線が追いつかない。
彼女はその勢いを利用し、芦戸の身体を横へ流した。
強引に投げ飛ばしたわけではない。
相手が自分で踏み込んだ力を、ほんの少しだけ別の方向へ導いたのだ。
だが、その一瞬の操作が決定的だった。

芦戸の足が、地面を離れる。

「うそぉぉぉ!?」
身体が境界線を越えた。

そのまま、競技場の外へ。

『場外ぃぃぃぃい!! 勝者、さとう!!』


――静寂。
そして、歓声。

「…………え?」

彼女は、勝者の位置に立ったまま瞬きをした。
場外に座り込んだ芦戸も、ぽかんと口を開けている。

「……えええええっ!?」

芦戸の声が、スタジアムに響いた。

『おおっと!? 勝負を決めたのは、またしても見事な体術だぁ!! 彼女、個性をほとんど使わずに二回戦を突破ぅ!!』

観客席から拍手と歓声が巻き起こる。
彼女は困惑したまま、自分の手を見つめた。

(……勝っちゃった)

勝つつもりがなかったわけではない。
ただ、勝ち進むことに迷いがあった。
だから、できるだけ個性を使わず、目立たず、自然に試合を終えようとしていたのに。
結果は、これだ。

(どうしてこうなったの……?)

彼女は天を仰いだ。
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