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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


むしろ、彼女が気にするべきなのは、服のことではなかった。
芦戸は酸を広範囲に展開することで、相手の移動先を限定している。
だが、その分だけ、酸を放った直後にはわずかな隙が生じる。
とくに、相手が予想外の方向へ動いたとき。

(右足に重心が寄る。次の攻撃に移る直前、左肩がわずかに開く……)

彼女の目が細くなった。

(そこを突けば、簡単に崩せる)

芦戸が次の酸を放つ。
彼女は軌道を読み、半歩だけ踏み込んだ。
相手の懐へ入る。
芦戸の目が見開かれた。

「えっ、もう!?」

彼女は芦戸の腕を取り、身体の向きを変える。
あと一歩。

重心を崩せば、そのまま場外へ押し出せる。
勝負は、ほぼ決まっていた。

――その瞬間。
彼女の脳裏に、次の対戦相手が浮かんだ。

爆豪勝己。

もし、この試合に勝てば。
その先も勝ち進めば。
いずれ、彼と戦うことになる。

(…………)

彼女の動きが、ぴたりと止まった。
芦戸は目の前で、驚いたまま固まっている。
あと少し力を加えれば、彼女を場外へ出せる。

個性を使う必要すらない。

彼女は、ふと冷静になった。
(このまま勝ち進めば、爆豪くんと当たる可能性がある)

爆豪は、すでに彼女の個性に興味を持っている。
障害物競走でも、騎馬戦でも、彼は何度も彼女の戦い方を見ていた。
次に直接対決となれば、きっと今まで以上に踏み込んでくる。
そうなれば、体術だけで勝ち抜くのは難しい。

何より――。
(個性を使わずに済ませるのは、もう無理でしょうね)

彼女は芦戸の腕を離し、そっと距離を取った。
芦戸が不思議そうに瞬きをする。

「……え? 今の、決まってなかった?」

「うん。決まってたね」

「ええっ!?」

芦戸の声が裏返る。
彼女は困ったように微笑んだ。
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