第4章 雄英体育祭編
借り物競争の応援が終わり、更衣室にて、着替えていた。
女子たちは、今日の彼女の様子を振り返る。
いつもの彼女なら、周囲を静かに観察して、必要以上に目立つことを避ける。
褒められても困ったように笑うだけ。
冗談を言われれば淡々と返す。
そんな彼女が――。
今は堂々とスタジアムの中央で、満面の笑み。
しかも・・・
「ご褒美あげちゃおうかな?」
「…………」
女子たちの視線が彼女に集中する。
「どうしたの?」
彼女が振り返る。
麗日が恐る恐る尋ねた。
「……なんか、今日のおもちちゃん、すごくない?」
「そう?」
「そうだよ!」
芦戸が食いつく。
「普段のクールな感じ、どこ行ったの!?」
「さっきから思ってましたけど……」
八百万が困惑したように首を傾げる。
「随分と楽しそうですわね」
「だって」
彼女はポンポンを軽く振る。
「こうなったら、楽しんだ方が得でしょう?」
「切り替え早っ!」
耳郎が突っ込む。
「しかも、なんか妙にノリノリ!」
「せっかく着たんだし」
彼女は肩をすくめる。
「恥ずかしがってる方がもったいないかなって」
「……強い」
麗日がぽつりと呟いた。
「なんか今日のおもちちゃん、めちゃくちゃ強い……」
「ふふ」
彼女は楽しそうに笑った。