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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


『さあ、続いての競技は借り物競争だぁ!!』
プレゼント・マイクの声がスタジアムに響き渡る。
A組の席では、彼女が最後のお楽しみに手を伸ばしていた。
顔の大きさほどもある、真っ赤なりんご飴。
つやつやと輝く飴の表面を眺め、彼女は満足げに目を細めた。

「……ふふ」

これを食べるために、わたあめを先に片づけておいたのだ。
大きく口を開けて、がぶり。

「ん……っ」

思った以上に飴が硬い。
こつん、と歯が当たる。

「…………」
彼女は少しだけ真剣な顔になり、角度を変えてもう一度。
ようやく飴の欠片を口に入れることができた。

ぱりぱり、もぐもぐ。

甘酸っぱいりんごの味が広がり、彼女の頬がほんのり緩む。

「……おいしい」

そのときだった。
ふと、周囲を見回した彼女は、ある異変に気がついた。

「あれ?」
先ほどまで隣にいた女子たちが、いない。
八百万も、麗日も、芦戸も、耳郎も、見事に誰もいなくなっていた。

「…………あ」

そこで、ようやく思い出す。

――そういえば、借り物競争の応援に行くって話をしていたような。

彼女はりんご飴をくわえたまま、競技場を見下ろした。
すでに競技は始まっている。
グラウンドでは、選手たちが封筒を手に走り出していた。

「……しまったなぁ」

手元のりんご飴に目を落とす。
まだ、半分も食べていない。
けれど、仲間たちが出場している競技を見逃すのも惜しかった。

「……今からでも間に合うかな」

彼女はりんご飴を片手に持ち直し、席を立った。
階段を下りながら、もう一口。
がぶり
もぐもぐ
さらに一段下りて、もぐもぐ。
どうしても食べることだけは諦めないらしい。

その姿を目撃したクラスメイトがいれば、きっと二度見していただろう。

普段は隙のない謎めいた美女。

その実態は、食べ物を前にすると驚くほどマイペースな人物だった。

グラウンドへ続く階段を下りきったところで、彼女は見慣れた顔を見つけた。

「あ、いた!」

耳郎がこちらに気づき、ほっとしたように駆け寄ってくる。
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