第4章 雄英体育祭編
「誰が心配してんだ!!」
「匂いがするって教えてくれたから」
「うるせぇ! 臭ぇから言っただけだ!」
「臭い……」
「そ、そういう意味じゃねぇ!!」
「ふふ」
「笑うな!!」
彼女が楽しそうに笑う。
爆豪はさらに苛立ったように頭を掻いた。
「つーか、そもそも――」
爆豪は言いかけて、彼女の服を指差した。
「……まだ匂い残ってんぞ」
「そんなに?」
「する」
「どれくらい?」
「……近づくと分かる」
「じゃあ、近づかなければいいね」
「そういう問題じゃねぇ!」
彼女はまた笑った。
爆豪はため息をつく。
「……ったく」
そして少し歩いたところで、ぼそっと呟く。
「妙なとこで隙だらけなんだよな、てめぇ」
「何か言った?」
「何も言ってねぇ!」
「そう?」
彼女は首を傾げながら歩いていく。
その隣で爆豪は、しばらく黙っていた。