第4章 雄英体育祭編
「……俺が見てる限り、あいつは妙に大人びてる」
「……」
「でも時々、ガキみたいなことをする」
「……そうかもしれない」
「そこが余計に心配なんだよ」
相澤は腕を組む。
「しっかりしてる奴ほど、変なところで無茶するからな」
オールマイトは黙って彼女のいる方向を見る。
「……そうだね」
「あんたからも少し言ってやってください」
「私からも?」
「だって、保護者みたいな顔してるじゃないですか」
「えっ」
「違うのか?」
「……」
オールマイトは微妙な笑顔を浮かべる。
「まあ……似たようなものかな」
「だったら頼みますよ」
相澤は立ち上がる。
「俺は教師として、これからも容赦しない」
「うん。それでいい」
オールマイトが少し遠い目をする。
「彼女も……雄英に来て、随分と普通の生徒らしくなったと思ったんだが」
「普通の生徒は…というか二十歳すぎた女でもセブンスターなんか吸わねぇよ」
「……ごもっともだ」
相澤は呆れたようにため息をついた。
「まったく……」
その頃。
スタジアムへ戻った彼女は――。
「……煙草、取られた」
小さく呟きながら、頬をさすっていた。
そして遠くから彼女を見つけた相澤が、もう一度ため息をつく。
「……クソガキ」
オールマイトも苦笑する。
「……まあ、あれも彼女らしいと言えば彼女らしいのかもしれないね」
「甘やかすな」
「はい……」
教師二人の小言は、午後の体育祭が始まるまで続いた。