第4章 雄英体育祭編
騎馬戦開始まで、残された時間は少ない。
「じゃあ、配置を決めよう」
彼女が周囲を見渡した。
緑谷を騎手にする。
そして、正面に、彼女。
右後方に、麗日。
左後方に発目明。
こうして、四人のチームが完成した。
発目が、嬉々として大量のサポートアイテムを取り出した。
「今回のために開発したベイビーたちだよ!」
「……ベイビー?」
緑谷が目を丸くする。
「まず、緑谷くん!」
「僕!?」
発目が背後から緑谷に装備を取り付けていく。
背中に装着されたのは、コンパクトなジェットユニット。
「空中移動用のジェットです!」
「ええっ!?」
スイッチが入る。
シュンッ――!
小さく噴射された推進力に、緑谷の身体がわずかに浮いた。
「わっ!?」
「すごい……!」
麗日が目を輝かせる。
「そして、騎馬のみんなにはこちらを!」
発目が取り出したのは、靴型のサポートアイテム。
おもち、麗日、発目。
三人がそれぞれ足に装着する。
「空中での姿勢制御と、短時間の浮遊が可能!」
「つまり……」
彼女が靴を見下ろす。
「空中に飛べるってこと?」
「そう!」
発目が満面の笑みを浮かべた。
「私のベイビーたちは最高なんですよ!」
「……なるほど」
彼女は静かに靴を確認する。
軽量。
足首の固定も十分。
噴射機構は小型だが、騎馬戦なら十分な高度を確保できそうだ。
(……これなら、地上だけじゃなく空中も使える)
彼女はすぐに戦術を組み立て始めた。
地上からの奇襲。
空中への退避。
上空からの鉢巻奪取。
そして、必要なら――。
(緑谷君を中心に、三方向から守れる)
悪くない、むしろ、このルールならかなり面白い。
四人が装備を整える。