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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


障害物競走だけで、自分の個性をかなり見せてしまった。

どこまでが「支配」の能力なのか。

どこまでの範囲に干渉できるのか。

対象は物体だけなのか。

生物にも使えるのか。

条件は?制限は?代償は?

見ている側は、必ず考える。

(プロヒーローなら、なおさら)

彼女はゴールしながら、観客席の一角へ視線を滑らせる。

プロヒーロー。
その視線には、いくつかの種類があった。
純粋な興味。
戦力としての評価。
警戒。

(……別の目的を持って見ている人間もいる)

彼女の美貌に目を留めている者。
事務所への勧誘を考えているような視線。
人材としてではなく、自分の事務所に置く「価値」を測っているような視線。

(……なるほど)

彼女は表情を変えない。

けれど、頭の中では瞬時に分類していた。
誰が自分の個性を見ているのか。
誰が容姿を見ているのか。
誰が戦闘能力を評価しているのか。
そして、誰が、必要以上に自分を見ているのか。

公安では、それが重要だった。

好意的な視線も、敵意のある視線も、同じように情報になる。

(……体育祭って、もっと単純なものだと思ってた)

彼女は小さく息を吐く。
学校行事、生徒同士の競争、それだけのはずだった。

けれど、ここは雄英。
全国から注目される場所。

プロヒーローが集まり、将来の人材を見定める場所。

USJ襲撃の直後。
ヴィラン側から見ても、雄英の生徒たちが一堂に集まる絶好の機会。

(……敵も、見ている可能性がある)

そう考えた瞬間。
彼女の目から、先ほどまでの柔らかさが一瞬だけ消えた。

観客席、関係者席、プロヒーロー、教師、生徒、スタッフ、カメラマン、警備に視線を走らせる。

不自然な動き。
不自然な視線。
同じ場所を何度も確認する人間。
周囲と明らかに違う行動をする人間。

(……まだ、分からない)

怪しい人物はいない。
少なくとも、今この瞬間に断定できるものはない。

(決めつけない)

それが公安で生き残るための基本だった。

彼女は、再び生徒としての表情を作った。
そして、先にゴールした緑谷を見る。

膝をつき、涙を浮かべながら喜んでいる。

その姿に、今度は純粋な笑みが浮かんだ。

「……私も、もう少し楽しんでもいいのかもね」
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