第4章 雄英体育祭編
「……どうするつもりなんだろう」
彼女が見守っていると――
緑谷が突然、地面を掘り始めた。
「……?」
周囲の生徒たちもざわめく。
「何やってんだ!?」
「地雷を掘ってる!?」
彼女は、その行動をじっと見つめた。
「……まさか」
緑谷が掘り出した地雷を、次々と一か所へ集めていく。
その意図を理解した瞬間。
彼女の目がわずかに見開かれた。
「自分から……爆発させる気?」
普通なら、避ける。安全な道を探す。だが、緑谷は違った。
危険そのものを前へ進むための力に変えようとしている。
「……ふふ」
彼女は思わず笑った。
「さすが、緑谷くん!」
その直後、
――ドォンッ!!
凄まじい爆発音が、スタジアム中に響き渡った。
爆風に乗って、緑谷の身体が一気に前方へ飛んでいく。
「……!」
観客席から、一斉に歓声が上がる。
彼女は目を細めながら、その姿を追った。
「……自分で答えを見つけたんだ」
その表情には、いつもの冷静な分析だけではない。
少しだけ、楽しそうな色が浮かんでいた。
(みんな、それぞれのやり方で一番を取りに行ってる)
だったら、自分も――
「私なりのやり方で、行こうかな」
彼女は小さく笑うと、地雷原へと足を踏み入れた。