第2章 雄英高校入学編
この学校でオールマイトだけが知っている、秘密。
それは、彼女が、自分の姪であることを
雄英の教師たちも
公安の人間たちも
クラスメイトたちも
誰も知らない。
それは、彼女を守るためでもあった。
そして、彼女自身が望んだことでもあった。
オールマイトは窓の外を見る。
まだ明るい空
そこに、一人の少女の姿が浮かぶ。
昔の彼女は
もっと、はつらつとしていた。
よく笑って
よく喋って
何にでも興味を持って
少し無鉄砲なくらい、前へ前へと進んでいく子だった。
「叔父さん!」
そう呼びながら、後ろをついてきた小さな少女。
ヒーローになりたい、と言っていたわけではない。
ただ
「人の役に立てる人になりたい」
そう笑っていた。
オールマイトは、その笑顔が好きだった。
だが
彼女が高校生になる少し前、両親が亡くなった。
突然だった
葬儀の日、
小さな肩を震わせる彼女の姿を、オールマイトは今でも覚えている。
「……」
泣いていた。
けれど、葬儀が終わる頃には、涙を拭いていた。
「大丈夫」
そう言った。
「私、大丈夫だから」
その言葉が。
オールマイトには、一番心配だった。