第11章 霽雨
静まり返った高専の、少し薄暗い廊下。
みんなの後ろ姿を見つめながら、歩みを進めていた、その瞬間。
あ……っ、……れ……?
急に、目の前がぐにゃりと暗転した。
足元から地面が消えてしまったかのように、身体の感覚が一切なくなる。身体に満ち満ちていたあの高い湿度のような息苦しさが、一気に頭のてっぺんまで突き抜けて、視界が完全に真っ黒な闇に塗りつぶされた。
——ドサッ!!! と、静かな廊下に、何か重いものが地面に叩きつけられるような、鈍い音が激しく響き渡る。
「……っ!? おい、何の音だ!?」
「おかか!?」
私の前を歩いていた真希さんや棘さん、そして憂太くんが、その異様な音に驚いて一斉に後ろへと振り向いた。
みんなが目を見開いて見た光景。そこには—— ピクリとも動かなくなってしまっている私の姿があった。
「五月雨さん……っ!? 雫ちゃん!!! しっかりして!!!」
遠くで、名前を呼ぶ憂太くんの、今までに聞いたこともないような悲痛な叫び声が聞こえたような気がしたけれど、私の意識はそのまま、深い、深い闇の底へと完全に落ちていってしまった。