第11章 霽雨
「あぁ……そうそう、今日は悟いないぞ。急な任務かなんかで、文句言いながら、朝一番に出かけてったからな。」
真希さんが、呆れたようにそう教えてくれた。
今日は、五条先生は任務で不在。だから午前中からは、真希さんたち高専メンバーだけの体力作りの訓練になるみたいだった。
「んじゃ、早速行くか」
「しゃけー」
みんなについていくようにして、私もグラウンドへと向かった。
かんかんと照りつける太陽の光。だけど、私の身体だけは、どれだけ日光を浴びても、カーディガンを突き抜けて冬の底にいるように冷たいまま。
グラウンドの隅にあるベンチに腰掛け、私はみんなの激しい訓練の様子をじっと眺めていた。
真希さんの圧倒的な武器さばき、パンダさんの体術。棘さんの軽い身のこなし。そして憂太くんも、泥だらけになりながら必死に木刀を振るっている。みんなが一生懸命頑張っているその眩しい姿を、私はただ、視界がときおり不自然に歪むのを必死に堪えながら、目に焼き付けようと見つめ続けた。
——午前中の厳しい訓練が、ようやく終わりを迎えた時だった。
「これぐらいにするか。 教室戻るぞー」
「はぁ……死ぬかと思った……」
みんなが肩を大きく上下させ、充実した汗を拭いながら、ぞろぞろと校舎の中へと戻っていく。
私もベンチから立ち上がり、みんなの後ろに遅れないように、必死でついて歩いた。