第7章 夜雨
忘れ去られ、その上、今や存在も秘匿されている私——梅雨の代行者への襲撃の危険性は限りなく少ないけれど、念のために顕現を遅らせることになっていた。
また、職員の中から裏切り者もかなりの数が出たらしく、私に付き添うための人員を割く余裕はない為、今年の私の権限は “風伝い” になる可能性が高いと、事前にそう告げられている。
寂しいな………
張り詰めた空気から解放された途端、昼間にみんながくれたあの温かい笑顔や、廊下で憂太さんが心配してくれたあの優しい声が、何度も何度も頭の中で繰り返して、私の心を優しく締め付けていた。