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雨の神様 【呪術廻戦(春夏秋冬代行者)】

第13章 五月雨


“僕の神様” が元気になって咲かせたその満面の笑顔を、独り占めできている優越感に浸っていると、背後から皐月サンの、硬い声が響いた。

「では、帰りましょうか。1回目の顕現はこれで無事に成功です。次の北部の顕現は、おそらく1週間後になります」

「はーい、じゃあ雫、また下まで僕が運んであげるね」

僕は、遠慮する彼女に、「いいからいいから」と言いながら、抱き上げ、彼女のぬくもりを愛おしく感じながら、来た道をゆっくりと引き返した。
高専の寮に戻り、談話室に向かうと、そこには留守番をしていた真希たちが、テレビのモニターの前に集まって大騒ぎをしていた。

「あ! 雫ちゃん、お疲れ様! 体調は大丈夫……? って、あれ、昨日よりずっと顔色が良くなって、元気になってるね!」

「おかえり雫。 ほら、これ見ろよ」

真希がテレビの画面を指さす。
画面に映っていたのは、お昼のニュースの最新の天気予報だった。僕たちが今いる東京の空は、雲一つないカラッとした青空が広がっている。

——けれど、画面に映し出された日本列島の天気図の南側、沖縄や九州の南の地域には、今さっきまで晴れていたはずなのに、まるで奇跡のようにしっとりとした美しい雨雲がびっしりと立ち込めていた。

〈全国の気象情報です。本日午前、九州南部から沖縄地方にかけて、活発な雨雲の急発達が確認されました。気象庁の梅雨入り予想を大幅に前倒しする形で、各地で雨が降り始めています——〉

「すげぇな、 本当に降ってるみたいだぞ。 東京はこんなに晴れてんのに、お前があの場所で舞っただけで、本当に遠くの南の海まで雨が届いたんだな」

「しゃけ! ツナマヨ!」

「本当にすごいよ、雫ちゃん……っ。あんなに苦しそうだったのに、お天気を変えて自分も元気になっちゃうなんて、本物の神様みたいだね」

パンダが感心したように腕を組み、棘も目を輝かせて「しゃけ!」と跳ねる。憂太も、僕の腕から降りてしっかりと自分の足で立つ雫の姿を見て、心からホッとしたように、柔らかく微笑んでいた。
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