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雨の神様 【呪術廻戦(春夏秋冬代行者)】

第13章 五月雨


私たちは高専の敷地を出て、霊脈の気が一番強く湧き上がっている裏山へと足を進めた。
けれど、山道を少し登り始めたところで、私の足に急激に重みがのしかかる。体調は万全なはずなのに、先延ばしのせいで、私の身体の体力そのものは、弱り切ってしまっていたのだ。
足元がふらつき、小さな小石に躓きそうになった、その瞬間。

「……仕方のない方ですね。体力を無駄に使って顕現に響かれては困ります。歩けないのなら、いつも通り私が運びます。大人しくしていなさい」

そう言って、皐月さんがいつものように私を抱きかかえようと、手を伸ばしてくれた。

「はいはーい! 皐月さん、それは僕の役目ね!」

けれど、その手を遮るようにして、長い足を運んだ五条先生がひょいと私たちの間に割り込んできた。

「山登りは男手の僕に任せなよ。僕のほうが歩幅も大きいし、力もあるから揺らさずに運べるし。ね? 皐月さんもその方が安心でしょ?」

五条先生が名乗り出ると、皐月さんは一瞬、不快そうに眉をひそめた。けれど、私の顔と先生の説得力を天秤にかけ、ふっとため息をついて手を引いた。

「……分かりました。お任せします。五条様、くれぐれも慎重にお願いしますね」

「任せといて〜」

許可が下りるや否や、五条先生は私の背中と膝の裏に大きな腕を滑り込ませると、ひょいと、お姫様抱っこの形で、腕の中に私を収めた。
フワリと宙に浮く感覚。先生の身体からは、優しく甘い香りと、温かいぬくもりが伝わってきて、私の胸はそれだけでドキドキと高鳴った。
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