第12章 液雨
私……憂太くんと、二人っきりなんだ……
初めて男の子と過ごす、一日中の二人きりの時間。
「ほら、雫ちゃん。明日は顕現なんだから、今は少しでも身体を横にして、体力を蓄えておかないとダメだよ」
憂太くんは優しく微笑みながら、私の身体にふわりと毛布をかけ直し、枕の位置を整えて私をベッドへ優しく寝かせてくれた。
『でも……憂太くん。せっかく、私のためにこうして傍に来てくれてるのに……私が寝ちゃったら、申し訳ないよ……』
せっかく2人きりでお話ができる時間なのに、自分がすぐに眠くなってしまうのがなんだか凄く申し訳なくて、私は毛布を握りしめながら弱々しく呟いた。
すると、憂太くんは優しく目を細めると、私の額や髪を、大きくて温かい手のひらで優しく、何度も何度も撫でてくれた。
「何言ってるの。君が安心して眠れるように傍に居るんだから、申し訳ないなんて思わなくていいんだよ。……ほら、おやすみ、雫ちゃん」
『う、うん……。ありがとう、憂太……くん……』
頭の上から伝わってくる、憂太くんの優しい手のひらの絶え間ない安心感とぬくもり。
彼がすぐ真横で、私だけを見守ってくれているという甘くてあたたかい幸福感に包まれて、私の意識は、いつのまにか、するりと心地よい眠りの中へと引き込まれていった。